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2019-05-23

【宮古民謡】伊良部トーガニ

伊良部大橋

宮古島の北西約5キロ、現在は2015年に伊良部大橋が開通して車で簡単にアクセス出来る様になりました。

昔から宮古民謡が好きで、宮古島へ通い、伊良部島へ渡る短い船旅を良く知る先輩方は、25分ほどの船旅で尋ねる伊良部島は「伊良部トーガニ」の島として特別な島だったのが、すっかりと身近な島になり、結構、複雑な気持ちだとの話も耳にしました。

伊良部島トーガニは、そんな伊良部島に古くから伝わる唄です。

琉球民謡保存会では、グランプリの課題曲となる、難易度の高い唄でもあります。

伊良部トーガニについて

伊良部トーガニもまた、他の唄と同じく諸説が沢山あって、今となっては判らないことも多いのですが、今から500年以上も昔に、伊良部島の唄の名手であった、唐金(トーガニ)という人物が歌っていたと言われます。

哀愁のある宮古民謡の旋律が聴く者の心を捉え、沖縄本島の「ナークニ」、八重山の「とばらーま」、と共に、宮古には「伊良部トーガニ」がある、と宮古を代表する叙情歌として知られます。

難易度の高い唄でもあり、琉球民謡保存回では、コンクールにおいては、グランプリの課題曲でもあります。

余談になりますが、トーガニと言えば、トーガニアヤグも宮古島では目出度い唄として知られます。

アヤグと言うのは宮古民謡では、神謡を除く民謡のことを指し、アーグ、アヤゴ、漢字だと綾語と書きます。

以前紹介した「なりやまあやぐ」などは特に有名で、宮古の民謡には、沢山のアヤグの付いた唄があることは宮古民謡ファンならばご存知のことでしょう。

「豊年の歌」も「豊年の綾語」とクレジットされている音源もあります。

>>> 【宮古民謡】なりやまあやぐ
>>> 【宮古民謡】豊年の歌

伊良部トーガニまつり

伊良部島では、この伊良部トーガニを未来に継承していこうと、例年10月の中頃に「伊良部トーガニまつり」が開催されています。

伊良部トーガニを歌って競うだけでなく、島の子供をはじめ、島民全員が参加する一大イベントとして、2019年の今年は第十九回目の開催になると言うので、実に歴史のあるまつりです。

琉球には、伊良部トーガニまつりだけではなく、宮古島には他にも「なりやまあやぐ大会」があるし、八重山の「とぅばらーま大会」与那国の「ドゥナンスンカニ大会」、沖縄本島に行けば各地方の「ナークニ」の大会なども開催されています。

琉球の各地でそれぞれの民謡が根付いているという姿が見て取れます、内地に暮らす者にとっては、実に羨ましい話ですね。

その雰囲気を感じたい為に、各地に足を運び、各大会に出場する知人も沢山おります。

歌詞

伊良部トーガニ

幾つもの歌詞が存在するのは、他の唄と同じ。今回は宮絃会で唄われる代表的な歌詞である一番と四番を紹介します。

サヨーイ 伊良部とぅがマーン 間がまんなよ
ぱなりゆとぅが間がまんなよー
渡す゜じぃぬマーン ゆくずゆ瀬ぬあてなむぬよ

サヨーイ 夕凪小んな イラヨ愛者よ
板戸小や音高かりゃよ ならんやどぅゆマーン 
むしる戸ゆ下ぎ待ちゅりよ

唄の解説

伊良部トーガニ

宮古島本島と伊良部島、離れ離れに暮らす恋人達の想いを歌った唄です。

伊良部島との間には 
離れ島との間には
渡る瀬が 休む瀬が あればよいのに

夕凪時は かわいい人よ 
板戸は音が高いので 音の鳴らない
ムシロの戸を下ろして待っていて下さい

さらに意訳すると、伊良部島に住む彼女が、彼に対して「貴方が渡って会いに来てくれる海に、休む瀬があって、穏やかであればよいのに」と唄い、

そして、彼は「夕凪時に会いたくなる彼女に、音のしないムシロをかけて置いて待っていて欲しい」

と返します。

結構、艶めかしい唄だったりするなと思いますが、民謡とは元来そういう物、その手の唄は少なく無いのが琉球民謡の世界です。

この二節を歌うだけで六分以上かかってしまう長い唄で、もともとは本調子で歌われていたそうですが、1967年に宮古で初めて作られた工工四に載せる際に、二揚げの曲になったと教わりました。

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